THE 二つ折り財布
二十四節気、小満を過ぎたある日
いっそう生い茂るOrganの森、日差しが眩しくなりつつある今ごろは
店内から外を眺めるとなんだか木陰にいる気分で快適です。
今日ご紹介するサンプルは、そんな季節、気軽にポケットに入れて持ち歩ける革小物。
こちらOrganには所謂「留めがない二つ折り財布」というポピュラーな
フォルムのものがあまりなく、とても珍しいアイテム。
大きさは小型のマチ付き二つ折り財布(GS-15)くらい。
極力無駄なステッチを省き、シンプルな外装を目指しました。
本体は革の厚みをそのまま活かし、ミネルバ・リスシオの張りを活かした
直線的できりっとした折り目の重なりを楽しめます。
両側にマチが付いているので、コンパクトながら小銭が見やすい設計です。
1つのポケットに2枚ずつくらい入るように余裕をもたせてあります。
また、手前にレシートなどを分けて挟めるフラップがついていて、
ここにカードをざっくり入れることもできます(脱落にはご注意ください)。
そしてこの、奥まったカードの出し入れをスムーズにしたのが底マチです。
ほんの少しの余裕で、だいぶカード入れスペースが見やすくなっています。
また、カード入れと小銭入れを片側に集約することで、向かって左の
革パーツが収納するもののふくらみに添えるように作ってあります。
結果、同じ量の収納も より薄くまとまり、かさばりません。
右ブロックを片手で持ちながら、もう片方でお札もカードも小銭も出し入れしやすい仕様です。
革小物は往々にして、小さい本体にぎゅっと機能を詰めるために、少しの変更や改良、
はたまた制作自体が、ともすると鞄よりも難しいところがあります。
そもそも大きなステッチ、豪快な作りを目的とした機材や材料での繊細な作業は
割と対極にあるもので、今回の二つ折り財布については機能の組み合わせ方や
サイズ、厚さの検討にかなり難航したようですが、そんな小難しいことを
微塵も感じさせないすっきりとしたアイテムになりました。
現品は、ネイビー、カスターニョ、アンバーでご用意しています。
いままで長財布(を鞄に入れる)派だった桃井。
これを機に二つ折り財布(をポケットに入れる)生活に切り替えてみており、
なかなかいいもんだと呟いていました。
より薄く、、やんわりと、小銭とカード入れ部分に添って湾曲しています。
サンプルは桃井が使用していますので、気になる方は是非お声がけください。