ロウ引きのアタリ
2014.3.14
コントラストが薄いように見えますが、今日のサンプルはこれが現品の色。
ロウ引き加工の革、左が黒、右が焦げ茶の2wayショルダーです。
以前ご紹介したことのあるロウ引きとはタンナーが異なり、こちらは定番で使用している革たちで
お馴染みのバダラッシが仕上げた素材です。
ただ、以前のものと同様、薄手でしなやか。
そして、今回の鞄は、このしなやかさから転じた取っ手が発想の始まりになりました。
幅広で筒状に仕上げ、握りしめることでアタリが出ることを想定した取っ手。
幾重に革が重なっても手のひらになじみ、力が分散されて独特のフィット感を生み出しています。
一番よく手に触れる取っ手、ともすると汚れも一緒についてきますが、この鞄では
ロウ引きならではのエイジングを一番楽しめるパーツとして設定してみました。
その取っ手がついている鞄の本体は
書類が入る四角い盤面ながらも、パイピングや四隅のカーブで柔らかさを出し、
ファスナー周りは開け閉めしやすいように補強を入れ、型崩れも抑えています。
共革のストラップは ななめがけから肩掛けまで調節できます。
A4サイズはカジュアルなブリーフケースとしても活躍するかもしれません。
そして取っ手以外にもアタリが楽しめそうなところがいくつか。
金具の付け根パーツや
四隅の角
共革で作ったストラップなど。
ちなみに、ストラップも柔らかいので内ポケットに入れて持ち歩くこともできます。
使い始めは、日に日に軽くなるお洋服にも合わせやすくなってくる薄い色合い。
ツヤだけでない変化を楽しむことができる、使いやすい鞄です。