ピッポの表裏
そんな今日のサンプル鞄は
見ての通り全く異なる風合いですが、どちらも同じ革「ピッポ」。
床面(通常の裏側)を表として使うことができる、リバースレザーと同じ特性の革です。
現品のトートバッグは吟面、ショルダーバッグは床面を表でご用意しました。
(個体差があるため、色味はそれぞれ異なります)
以前にもピッポで作ったショルダーバッグやトートバッグをご紹介したことがあるので
ご存知の方も多いかと思いますが、しっとりとした肌触りに違わず表裏共にオイルを
ふんだんに含んでいることから、通常こちらで置いている鞄の中でも群を抜いて色落ち、
色移りが激しい革ですので、その特性をきちんとご理解いただきたい素材のひとつです。
まずはつるつるした方を表に使ったトートバッグ。
盤面の両サイドは外縫いですが、素材独特のしっとり感と底面の折口が相まって、
必ずというわけではありませんが意外と自立します。
そして取っ手は、吟面を袋状に縫い合わせたタイプで、輪っかの方にはステッチが入らない
ユニークな仕様になっています。
一方のショルダーバッグは、
こちらも盤面サイドと底面の作りはトートと同じで、メイン収納がすっきりしています。
かぶせの磨きがとても良く入ったので、かなりのエイジングが期待できそうです。
背面はあえて何もつけずシンプルに。ベロアのようなピッポの風合いを楽しめます。
ちなみに、スタッフがサンプルとして使っている床面が表バージョンのピッポバッグを見てみると
よく手に触れる取っ手が特に摩擦が激しく、床面ながらもツヤがうっすら出ている状態です。
部分、部分で風合いが異なっていて、一見カサカサに見えますが、今も
大変しっとりしているところが面白いピッポ。
また、表裏どちらも過剰な表面加工がされていない分、ワイルド感も漂っています。
ざっくりと使っていただきたいと思います。